午前9時。
私は今日もピアノの前に座る。
高校生の頃は、5分も弾くことが出来なかったのに。
けれども今は、3時間も練習することが可能になりました。
高校を留年した私は、ピアノを弾くことも楽譜を読むことも出来なくなった。
レッスンに通っても、思うように指が動かない、頭が回らない・・・。
精神薬を飲み始めたことも原因かもしれない・・・。
とにかく、あの日々の私は、何も出来なかった。
30歳を迎える頃、障害年金の受給が決まったことで、私は大学で学ぶ決意をする。
その時から、徐々に病が回復していき、今はピアノの練習が3時間も出来るようになった。
現在レッスンをしてくれているピアノの先生に、私は自分の演奏が下手だ、と言ったことがある。
すると先生は、こう返した。
「これまで頑張ってきたご自分を、そんな風に言ってはいけません」
私は、先生の言葉でハッとした。
39歳の私に、先生は優しさの中にありながらも、厳しく叱ってくれた。
出来なかったことが、出来るようになった。
今の私にとって、このことが一番に嬉しいのです。
自助努力とまでは言えないけれど、最後に自分を救うことができるのは、他の誰でもない、自分なのだと思います。
そして人生も、後戻りは出来ません。
ならば、今ここから、自分が本当にしたいこと、したかったことに取り組む人生があっても、おかしくないはずです。
やりたいことをやる。
それでいい。
ピアノの先生のように、私の努力を認めてくれる人がいる。
それを、過去の私が知ったらどんなに嬉しいだろう。
私のことを知って、「こんな人もいるんだ。私の方がまだまだマシ」そう思ってくれる高校生がいることを願いながら、今日も過去のこと、そして今のこと・未来のことを語っていきましょう。
進めるのは前だけ

高校生の頃の私が、ピアノを弾けない時期があったように、実力はあるのに、人前に出ると上手く演奏することが出来ない・・・。
そんな葛藤を抱えながら、青春時代を過ごした偉人がいます。
彼女の名は、アガサ・クリスティー。
1905年。
パリの寄宿学校に留学したアガサは、本格的に声楽とピアノに打ち込みます。
けれども、彼女は人前で演奏することに対して臆病な面を持っており、また内気な性格でした。
練習では完璧に弾くことは出来ても、性格的にコンサートピアニストとして舞台の上で実力を発揮することは、かなり難しかったようです。
アガサは、音楽は趣味で続けると決めて、その後、小説を書くようになります。
音楽の道は諦めたけれども、その分、物語を書くことに情熱を注いだのですね。
アガサの作品は、ミステリー小説として、今でも世界中の人々に読み継がれています。
人生は、決して後戻りできません。
出典ーコミック版世界の伝記 アガサ・クリスティー
進めるのは前だけです。
人生は、一方通行なのですよ。
私自身もピアノを弾く身として、アガサの極度のあがり症(ステージ恐怖症)を理解出来ます。
もしかしたら私も、アガサと同じ性質を持っているかもしれません。
普通であれば、自分の本当の願いが絶たれたことで、やる気をなくす人が大半のはず。
でも、アガサは違った。
ピアノと歌はダメだったけど、私には小説もある・・・!!
この切り替えが、カッコいいなぁと感じました。
「あの時、ああしていたら。これが、こうだったなら」
「もしも、こうではなく、こうなっていたら」
誰だって過去を悔やんだり、変えられない現実に不満を覚えることは、少なからずありますよね。
でも人生は、後戻りできない。
最初からやり直すことも出来ない。
進めるのは、前しかない。
アガサは、ピアノと声楽を捨てたわけではないのです。
上手くいかない出来事の中にこそ、自分に出来ることが静かに隠れていると知っていたのですね。
結果、小説を書くことが天職となった・・・。
人生って何が起こるか分かりません。
面白い!!

上手くいかないことの中にこそ、真実が隠れているのかも!!
きっとどこかに出口はある

ここでは、私の話を少ししてみましょう。
2度目の高校2年生。
留年してしまった私は、何もかもやる気をなくしていました。
勉強もピアノも、何も出来ないのです。
精神薬を飲み始めたせいか、体重も増え、容姿も気になり始めていました。
何もかもが、ダメだったのです。
結局、大学受験を経験することは出来ませんでした。
大学でピアノを勉強する夢が、絶たれてしまったわけです。
20代は、誰に習うわけでもなく自分で本を買って、音楽理論などを学びました。
そして30代になる頃、障害年金の受給が決まりました。
その資金を利用して、放送大学で勉強することを、父母は了解してくれたのです。
やっと念願だった大学生になれた・・・!!
放送大学生になってから、私はピアノレッスンにも力を入れるようになります。
まるで、10代20代を取り戻すかのように・・・。
去年のレッスンだったと思います。
「演奏下手なので・・・」と、つい弱音を吐いた私に、ピアノの先生は厳しくこう返しました。
「これまで頑張ってきたご自分を、そんな風に言ってはいけません!」
ハッとした私は、今までの自分の葛藤や努力を思い出しました。
ピアノの前に長時間、座っていられる現実があること。
これは、他の誰でもない、私自身の努力があったからです。
ピアノの先生はそれを理解してくださり、私をもう一度、音楽を学ぶ者として迎え入れてくださったのです。
人生は一方通行。
ならば、上手くいかないことがあっても、きっとどこかに出口はあるはず。
アガサ・クリスティーが、音楽を諦めた先で、小説を書く喜びに出会えたように。
大丈夫。
高校生のあなたも、いつかきっと、見つかる。
アガサ・クリスティーと私の共通点

ピアノと声楽を愛していたアガサ・クリスティーでしたが、極度のあがり症のため、コンサートピアニストの夢は閉ざされてしまいました。
けれども彼女は、それはそれ!と割り切り、「ミステリー作家」として、たくさんの小説を世に送り出すことに成功したのです。
人生は、決して後戻りできません。
出典ーコミック版世界の伝記 アガサ・クリスティー
進めるのは前だけです。
人生は、一方通行なのですよ。
ピアノと声楽に対する情熱を、言葉を紡ぐことに変換したアガサ。
彼女の内側には、「上手くいかないことがあっても、必ず出口はある」そんな精神が宿っていたのかもしれませんね。
高校生の頃の私は、ピアノの前に5分も座っていられなかった。
勉強もピアノも、何もかも出来なかった。
何も出来ない人間だった。
けれども今は、3時間も練習することが出来るようになった。
「私の演奏は下手くそです」弱音を吐いた私に、ピアノの先生は厳しく叱ってくれた。
「これまで頑張ってきたご自分を、そんな風に言ってはいけません!」
アガサ・クリスティーは、ピアノと声楽を諦めたけれど、それと同じくらい情熱を捧げられるものに出会った。
それは、小説を書くことだった。
私は、まったくピアノが弾けない時期があったけれど、今は弾けるように変えられた。
私も、アガサも、諦めたのではなかった。
上手くいかないことがあっても、きっと出口はあると信じた。
後ろに戻れないなら、前に進めばいい。
今、自分の手の中にあるもので、一つ一つ、努力を重ねていけばいい。
そう願って、人生を進めていっただけだ。
私とアガサ・クリスティーと
今回は、ピアノが弾けなかった私の葛藤と、アガサ・クリスティーの人生を重ね合わせて見えてきたことを、言葉にしてみました。
私の人生には決して輝く功績のようなものは無いけれども、前に進むことでしか見れない景色がある、と信じてこれからも努力を重ねていきたいと思います。
ぜひ、コミック版世界の伝記シリーズの中で、気になる偉人の人生に触れてみてください。
頑張るぞぉ〜って、思ってくれたら嬉しいな(^ ^)
①人生はやり直すことも、後戻りすることも出来ないなら、潔く前に進むしかない。
②人生がもしも一方通行なら、きっとどこかに出口はあるはず。
③上手くいかないことの中に、答えが静かに隠れている。ただ今は見えないだけ。
ことのは さおり

