高2の春、新しいクラスに馴染めず、学校を休み始めるようになった1人の女子高校生。
彼女は学校を欠席すると、担任の先生から電話が入ることをすごく嫌がりました。
彼女の言葉に耳を傾けると、私自身の体験が蘇ってくるほど、とても苦しい思いになりました。
「どうしたらいいか一緒に考えていこう」私が提案すると、彼女は安堵した表情で、悩みを打ち明けてくれたのです。
彼女の話を聞きながら、胸がとても苦しくなりました。
私が体験したことと同じだったからです。
担任の先生からの電話。
とても鬱陶しく、迷惑だったでしょう。
けれども、よく頑張って電話に出られましたね。
それは、人としての大切なマナーです。
大事にしてください。
あなたは、学校で嫌な思いをするから休んでいるのですよね。
そのことを担任の先生に何が分かる?と反発したい気持ちも理解できます。
結論を言います。
まず、担任の先生から電話がかかってきたら、無視せずに出てみてください。
自分の行動を決めるのは、先生の言葉を聞いてからでいい。
先生があなたに、どんな言葉を発するのか?
希望を語る人なのか?
それとも、あなたの心の暗闇に気が付かない人なのか?
それを見極めてからでいい。
私からまだ伝えたいことがあるので、もう少し話をさせてくださいね。
あなたの苦しみを、すべて聞かせてください。
二通りある人間を見極める
まずは、ひとりの偉人を紹介します。
自身のはげしい気性に悩みながらも、絵を描くことでありのままの自分を表現した画家です。
虫だって光の好きなのと嫌いなのと二通りあるんだ。
出典ーコミック版世界の伝記 ゴッホ
人間だって同じだよ。
この言葉は、冒頭で私が話したことに繋がります。
あなたは、人間関係がうまく出来ないことで学校を休むようになった。
けれども、担任の先生からかかってくる電話がしつこくて鬱陶しい。
なぜなら、あなたの苦しみを担任は理解しているように思えないから。
まずは、担任の先生から電話がかかって来たら無視せずに出ること。
大事なことは、一度はきちんと向き合うこと。
無視するのは、人として良くないマナーです。
あなたがこの先、学校生活をどうしていきたいのか決断するのは、先生の話を聞いてからでいいと思います。
まずは、電話を無視せず、先生の意見を聞くこと。
先生があなたに理解を示す、つまり希望を語る人なのか?
それとも、あなたの心の暗闇に気が付かない人なのか?
もしも、後者ならば、もう電話に出る必要もないし、学校にも無理していかなくていいと思います。
ここを見極めてから、決断してください。
「虫だって光の好きなのと嫌いなのと二通りある」
つまり、希望を語る人間とそうじゃない人間がいる。
二通りあるということなのです。
あなたがすることは、先生の電話を無視することではない。
二通りある人間を見極めること。
担任の先生は、希望を語る人間なのか、そうじゃないのか。
あなたがどうしたいかは、先生の話を聞いてから決めていいのです。
今話したことが、私からあなたへのメッセージです。
まだ時間はたっぷりあります。
焦る必要はありません。
大人の中で、一番近い存在が担任の先生。
まずは、先生の言葉に耳を傾けられる、そんな心のゆとりを持てたらいいですね。
光の中ではなく、暗闇の中に
ここでは、冒頭の言葉を残した画家について、少しお話をしましょう。
自分の気性に悩みながらも、のちにたくさんの人の心を揺さぶる絵を、命をかけて描きつづけました。
あなたも知っていると思います。
ゴッホです。
彼は気分の浮き沈みが激しく、感情を爆発させる癇癪をたびたび起こすことがあったそうです。
精神疾患や発達障害を抱えていたのかもしれませんね。
画商や教師など職を転々とし、27歳のとき画家になることを決意しました。
けれども、対人関係の難しさや自分の絵が認められないことで苦しみ、自ら命を絶ってしまいます。
ゴッホを支え続けた弟のテオも、彼を追うように亡くなります。
しかし、それで終わりではないのです。
テオの妻ヨハンナの働きによって、ゴッホの絵はヨーロッパ中に知られるようになり、作家としての人気も高まっていきました。
1973年には、オランダのアムステルダムにゴッホ美術館が開館されます。
ゴッホの絵は、彼が亡くなってから世に広まっていきました。
そして今でも、彼の絵は多くの人々の心を魅了させるのです。
ここで、冒頭のゴッホの言葉を思い出してみましょう。
「虫だって光の好きなのと嫌いなのと二通りあるんだ」
ゴッホは光の中を歩んだのではなく、暗闇の中に光を見出したのかもしれませんね。
生きているうちに成功を収められたなら素晴らしい。
けれども、それ以上に、自分がいなくなった世界で自分の作品がいつまでも残り続けることは、もっと素晴らしいのです。
むしろ、そうなることはとても難しいことです。
世の成功者は、みな忘れられていきますから。
けれども、ゴッホの絵は、今でも人々の目に映っているのです。
こうなることのほうが、難しいはずです。
光の中を歩んだ人間ではなく、暗闇の中に光を見出した人間であったから、ゴッホの絵は認められた。きっと、ここに何か大きな意味がありそうですね。
次の項目で、私なりの考えを述べたいと思います。
あなたはどちらの人間になりたいか
つまり、成功者には二通りあるということです。
生きている間に認められる人と、亡くなったあと、自分の作品などが認められる人。
後者がゴッホなのです。
ある意味、生きている間に認められる方が簡単かもしれません。
けれども、ゴッホのように、暗闇の中に光を見出す生き方の方がとても難しいのです。
みな、途中で諦めますから。
しかし、ゴッホは自身の病と闘いながら、自分の絵が認められない世界を生き抜いたのです。
それは、とても苦しいけれど、尊い生き方ですよね。
今回は、ゴッホの言葉を引用して、二通りの人間があることを話しましたが、では、あなたはどちらの人間になりたいですか?
希望を語る人間になりたいですか?
暗闇の中に光を見出す人間になりたいですか?
ゴッホの人生、そしてあなたの悩みを通して、自分なりの答えを見つけられるといいですね。
あなたが勇気ある行動を取れることを、心から応援していますよ。
たとえ僕の人生が負け戦であっても、僕は最後まで戦いたいんだ。
先生がどんな言葉をあなたに発するか
あれは、私が高校2年生になった春先でした。
大好きだった祖父をガンで亡くし、無気力になっていました。
クラスの女子たちにも馴染めず、私は学校を休むようになります。
担任の先生からは、毎日電話が入りました。
無視することもできたけれど、なぜだか電話に出ていました。
「今休むと取り返しがつかなくなるから、明日は頑張って来てな」
そう、冒頭の悩みは、私自身が体験したことでした。
「あんたに私の何が分かるの?
あんたなんて、本当は私のこと何も心配していないくせに。
私だって、あんたなんか関係ない!」
友達も先生も学校も、面倒くさい。
当時はそんな気持ちしかありませんでした。
けれども、「憧れの大学に行きたい・・・。学校を休み続けると大変なことになる・・・」そんな気持ちでいっぱいになり、ゴールデンウィーク明けから、また学校へ通うようになりました。
先生が言った取り返しがつかなくなるから、という言葉に刺激されたのか、そのとき私は、何かに気がついたのかもしれませんね。
先生に対して反発心もありましたが。
果たしてその先生が、希望を語る人間であったかどうかは断言できませんが、今思えば、現実を教えてくれた人であったと思います。
高校を休めば、留年になるかもしれない。
そんな危機感を教えてくれた先生だったのかもしれませんね。
電話をくれる先生が希望を語る人かどうか見極めることができなくても、どんな言葉を発してくれるのか観察くらいはできますよね。
もし、あなたが学校を休んでいて先生から電話が来たら、快く出てみましょう。
そして、悩んでいるあなたにどんな言葉を投げかけてくれるか観察するのです。
何度も言います。
あなたがどう動くか決断するのは、先生の言葉を聞いてからでいいのです。
いつかきっと、あなたのためになる
では、ここで、ゴッホの言葉とあなたの悩みを整理してみましょう。
虫だって光の好きなのと嫌いなのと二通りあるんだ。
出典ーコミック版世界の伝記 ゴッホ
人間だって同じだよ。
担任の先生があなたに理解を示す、つまり希望を語る人なのか?
それとも、あなたの心の暗闇に気が付かない人なのか?
それを見極めるということでしたね。
あなたが今、直面している問題は、決して無駄なことではないし、大人になったとき、いつかきっと自分のためになることばかりです。
同じような体験をした私が、その一人です。
あなたの苦しい思いを、まずは担任の先生に気楽に話せる、そんな心のゆとりを持てるようになれたらいいですね。
希望を語る人間になれるように
今回は、ゴッホの人生を紹介しながら、あなたの悩みも深掘りしてみました。
同じ体験をした者として、あなたの心の傷を癒せたらいいなと思いながら、記事を書きました。
当時は本当に苦しかったですが、時間を経て大人になると、自分の経験は無駄ではなかったと気がつけるように必ずなります。
だからまずは、あなたの思いを、身近な誰かに打ち明けてみてください。
その一人が、先生であったなら、心強いですね。
「先生に相談してみよう」
あなたが、おおらかな気持ちになれることを私は祈り続けていますよ。
さおり♬