休み時間になるといつも、自分の席にぽつんと、ひとり座っている子がいる。
声をかけてあげたほうがいいのかな・・・?
どうしたらいいんだろう?
あなたは、こんな場面に出会ったことはありませんか?
ひとりぼっちでいる友達のことまで、考えられるあなたは、本当に心の広い方ですね。
皆、自分のことだけで精一杯だというのに。
そんな中で、いつもひとりでいる友達が気になる、というお悩みですね。
どうしたら良いと思いますか?
結論を言います。
ぼっちの子に話しかけるかどうかは、あなたが自分で決めること。
ただ、大事なことは後悔のしない決断をする、ということ。
なぜ、私がこの考えを導いたのか、これから説明していきます。
リラックスしながら読み進めてみてくださいね。
祖母の言葉は私の道しるべ
私の祖母はとても厳しい人でしたが、私にたくさんの大事な教訓を教えてくれました。
その教えの中で、今でも大切にしている言葉があります。
相手の気持ちを考えて、行動しなさい(祖母の言葉)
例えば、自分がされて嫌なことは相手にもしない。
自分がされて嬉しいことは、進んで行う。
祖母の教えは、私の人生の道しるべとなったのです。
ですが、その教えを実行することは大変な道のりでした。
相手の気持ちになって考えることは、まだ幼い私にとって難しい課題だったからです。
そんな試行錯誤の中、私はあることに気がつきました。
相手の気持ちを考えて行動するためには、まずは自分で自分の行動を決めることが大事、だということに。
それは、「自分がされて嫌なことはしない。では、自分がされて嬉しいことって何なのだろう?」と、自分で考えて自分の行動を決断することが重要だからです。
そうすることによって、自分で決めることが可能になり、相手を思いやれる行動ができる人に成長していくのです。
祖母の厳しい躾(しつけ)のおかげで、私は物心のついた小学5年生あたりから、ひとりでいる子を放っておけない子供に育ってしまいました。
でも私は、それはそれで良かったな、と思えています。
自分さえ良ければいい、という考えを持たない子供に成長できたからです。
すべては、祖母の教えのおかげ。
相手の気持ちを考えて行動することの大切さを覚えた私は、中学一年生になると、レイちゃん(仮名)というクラスメイトに出会うことになります。
次の項目で、レイちゃんとの思い出について、少しお話ししようと思います。
レイちゃんの手紙
中学一年生になって、私はひとりでいるレイちゃんに声をかけました。
その日から学校生活では、どんな時もずっと一緒でした。
レイちゃんは、私の大事な友達になりました。
私は当時から「天然さおたん」と呼ばれていました。
そのあだ名を生かし、物静かなレイちゃんを笑わすことが楽しみの一つになっていったのです。
お昼休みに、他のクラスの女の子が、「レイちゃん、明るくなったよね。さおりちゃんのおかげだね」
と言っているのを聞きました。
そういえば、レイちゃん、よく笑うようになったなぁ・・・と、気が付きました。
レイちゃんとの学校生活は、とても穏やかなものでした。
高校は別々になりましたが、入学してすぐにレイちゃんから手紙が届きました。
「私、高校を卒業したら、短大に行って、保育士になりたいんだ」
と、言葉が綴られていました。
レイちゃんが、自分の将来の目標を、自分の意志で決めたこと。そしてその決意を私に手紙で知らせてくれたことが、とても嬉しかったのを覚えています。
私がレイちゃんに声をかけてあげたからだ!などと、思い上がったことは一度もありません。
でも、友達が友達を変えることはできるんだ、ということを知れた経験は、当時の私に人としての在り方を教えてくれました。
私がレイちゃんとの出会いを通して学んだことは、以下の通りです。
・ひとりぼっちでいる友達に、声をかけるのは勇気がいることだけど、その子が一生の友達になることだってある。
・その友達に変化を与えられるかもしれないし、自分も変わることができるかもしれない。
・友達のために、自分で考えて決断するための手伝いができるかも知れない。
ここまで書いてきましたが、私の思いを伝えます。
私は、ひとりぼっちでいる友達に声をかけたことに対して、後悔はしていません。
むしろ、良いことがたくさんありました。
なので、ここでハッキリ言います。
ぼっちの子がいたら、私は迷うことなく声をかけます。
私が「そうしたい」と思うからです。
私たちには、選べる権利があります。
自分の感情を大事にしていいのです。
でも、自分の中で「本当はこうしたい」と思うことがあるなら、その決断を大切にしてください。
何が正解で、何が間違っている、ということなんてないのです。
だから、もし学校生活で悩むことがあったら、「レイちゃんの手紙」のことを思い浮かべてみてください。あなたのヒントになるはずです。
あなたに大事な友達がいてくれることを、願っています。
だれとも結婚しなかった女王
ここで少し、歴史の勉強をしましょう。
イギリスを繁栄に導くために、生涯だれとも結婚することなく、一生を国と国民のために捧げた女王がいました。
彼女が残した言葉を、次に述べます。
何よりも、この世のどんな物よりも、国民の愛情と好意こそ私には一番大切なのです。
出典ーコミック版世界の伝記 エリザベス女王1世
この言葉を残した偉人とは、エリザベス女王1世です。
エリザベス女王は、イギリスの宗教問題と王位継承問題に、長年悩まされていました。
とくに、国会議員たちは「跡継ぎが決まらないと、国民が不安になる」と心配していたのです。
ですが、エリザベス女王は「安心しなさい。この国のためにならないことはしない。跡継ぎは自分の子どもでなくてもよいのです」と、自分の意志を貫きます。
そのあいだ、さまざまな困難が襲いますが、自分の幸せではなく、イギリス国民の幸せを一番に考え、人生を全うすることを選択したのです。
私はここで、エリザベス女王の言葉と、祖母の言葉が重なったように感じました。
国民の愛情と好意こそ、私には一番大切である、というエリザベス女王の言葉は、相手の気持ちを考えて行動する、という祖母の言葉と同じ意味ではないかと気が付きました。
では、もう一度、冒頭の悩みに戻ってみましょう。
ぼっちの子に話しかけるかどうかあなたは悩んでいますね。どうぞ、自分の思いのままに行動してください。
声をかけるのが面倒なら、声をかけなくていいと思います。
いい子だって思われたいから声をかける。それでもいいでしょう。
心から素直に、あの子にも声をかけてあげよう!そう思えるなら、どうぞ声をかけてあげてください。
どれを選択するのもあなた次第。
自分の行動を、自分で選ぶ習慣を身に付けましょう。
エリザベス女王は、イギリスを繁栄に導くために、一生独身を貫くと決意しました。
誰かに聞いて、答えを出したのではないのです。
自分で考えて、自分の行動を決めたのです。
もし、あなたのクラスに、エリザベス女王のような女の子がいたら、ひとりぼっちの子に迷うことなく声をかけるでしょう。
あなたもエリザベス女王のように、ひとりぼっちの友達に声をかけられる、勇気ある人に育っていくことができますように!
イギリス国民すべてが・・・私の子どもたちなのです。
人生は自分で決めることの連続
では最後に、今回の悩みについてもう一度まとめてみましょう。
ぼっちの子に話しかけるかどうか悩んでいる、というお悩みでした。
①まずは、自分で考えて、自分の行動を決断する力を養うこと。
②よって、ひとりぼっちでいる子に自分はどう対応したらいいか、自分で選択できるようになる。
③相手の気持ちを考えて行動できる人に成長できる。
これが、私からのメッセージです。
何も難しいことはありません。物事はすべてシンプルなのです。
人生は自分で決めることの連続です。
何かあるたびに、周りの人に聞いていたら成長できません。
自分で決めるのです。
このことだけでも、覚えていってください。
あなたが、自分で決断していくことの大切さを理解できることを、私は願っています。
ひとりぼっちの子に手を差し伸べられるように
今回は、エリザベス女王の言葉と人生に触れて、あなたの悩みを解決してみました。
ひとりぼっちの子に声をかけるのは勇気がいることだけど、あなたがその子を救うことができるかも知れません。
エリザベス女王が自分の人生の決断を自分でしたように、あなたも自分で人生の選択ができるようになれたらいいですね。
私は、コミック版世界の伝記を読み始めて、人生に色が付きました。
こんなに素晴らしい偉人がいたんだ、という喜びで胸がいっぱいになります。
ぜひ、あなたも気になる偉人から読み進めていってください。
あなたの人生がたくさんの勇気と希望で満たされますように。
さおり♬